全校朝会
今日で2月も終わり、今年度最後の全校朝会が行われました。
そこで、6年前の3月11日に起きた、東日本大震災に関わる話をさせていただきました。
校長の話
2011年3月11日、午後2時46分、東北から関東地方の太平洋側で大きな地震と、それによって発生した津波により、およそ2万人というたくさんの人が亡くなる自然災害が発生しました。これを「東日本大震災」と言います。発生時、今の6年生でさえ小学校入学前でしたので、そのときのことはあまり覚えていないかもしれません。
特に大きな被害を受けた東北地方の人々は、家を失い、家族と離ればなれになってしまう中、電気やガスも止まり、水や食料もすぐに手に入らない状況になりました。私たちが住んでいるこの関東地方でさえも、電車が止まり、コンビニエンスストアーへ行っても、特に食料や飲料水が一瞬にして売り切れ、車が走るために必要なガソリンもなかなか手に入らず、生活に困りました。
震災発生時やその直後から続く、このような大変厳しい状況の中ではありましたが、自分自身も生活に困っているはずなのに、自分のことよりも他人のために協力したり、お互いに助け合ったりする姿が日本各地でたくさん見られました。
ここで、いくつかのエピソードを紹介します。
走る電車も少なくなり、とても混雑している駅のホームで、いつ来るのかもよくわからない電車を待つ人は、誰一人列を崩さずにきちんと並んでいました。また、駅の階段に座って休んでいる人は、ちゃんと端に寄って座り、真ん中は通る人のためにちゃんと開けていました。
学校の体育館や校庭も避難所になりましたが、そのような避難所では、4人家族なのに「分け合って食べます」と、他の人のことも考えて、3つのおにぎりしかもらわない人を見ました。きちんと一列に並んで、順番を守って食べ物を受け取る姿がありました。
地震がおさまって、スーパーで買い物ができるようになったとき、小学生の男の子がお菓子をもってレジに並んでいると、そこに募金箱があるのを見付けて、しばらく考え込みました。すると、お菓子をもとの棚に戻してきて、買おうとしたお金を募金箱に入れました。
困っているときこそ、みんなできまりをしっかり守り、助け合って生活しようとするのが、日本に住む人たちのとてもいいところです。みなさんにも、そのような温かい心はありますか。このような心や行動は、もしかしたら日本では当たり前なのかもしれませんが、外国では珍しく、日本はすごいと褒められました。
実は、震災の時には、人の生命を救うために助けに行って、自分の生命を落としてしまった人たちもたくさんいるんです。また、大切なものを失って、今もまだ、もとの生活に戻れていない人がたくさんいます。
最後に、私たちは、この震災で生命を落とした人の分も一生懸命に生きて、みんなが住む藤沢地区、深谷市、埼玉県、そして、この日本をもっともっといい国にして、いつかは世界でも働きかけられる人になることを自分の心に誓ってほしいと思います。
低学年には、ちょっと難しいお話になってしまいました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。